「千里眼 堕天使のメモリー」読了
Posted on 2007.08.24 Fri 23:00:00 edit
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|l、{ j} /,,ィ//| / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ | あ…ありのまま 今 起こった事を
|リ u' } ,ノ _,!V,ハ | < 話すぜ!『おれは千里眼最新刊を
fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人. | 読んでいたと思ったらいつのまにか、
ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ | ハルヒのパロディ小説を読んでいた』
ヽ iLレ u' | | ヾlトハ〉. \______________
ハ !ニ⊇ '/:} V:::::ヽ.
/:::丶'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
いやマジで。
千里眼の角川移籍後、何かにつけケロロだのハルヒだの小出しにしてきましたけど、今回のは酷すぎる。もっとやっちゃってください。
間違い無い、松岡さんはハルヒシリーズにハマってしまったんでしょう。リップサービスの領域を軽く超えてますよ、この引用具合は。
その位正直言って今作はハルヒの事を知らない人が読むと「??」ってなってしまう描写が多すぎます。
さて今回は帯で煽っているように「水晶体の女」こと西之原夕子が再登場します。「千里眼の水晶体」で登場した彼女は、クライマックスで自分よりもワクチンを優先した美由紀に絶望して飛び降り自殺を図ります。しかし、それをマインドシークのジェニファー・レインが助けていました。
それはジェニファーが何度も辛酸を舐めさせられた美由紀に対する復讐の手駒としてである事は誰の目に見ても明らかでしたが、今作で再登場した彼女は大方の予想とちょっと異なっていました。
というのも整形してハリウッド俳優の婚約者に仕立て上げられた後、夕子は特にメフィストの教育を受ける事も無かったからです。挙句の果てに、私生活の彼に幻滅した彼女は勝手に日本に舞い戻り、京城 麗香として生活をしていました。
そんな麗香とハローワークでたまたま出会った鳥沢 幸太郎が今回の被害者かつ主人公です。
変化の無い事務仕事にウンザリして会社を辞めてNEET状態の彼は、趣味丸出しで「ツンデレメイド喫茶の店長をやりたい」という願望をオブラートに包みつつ、のらりくらりとハロワに詰めているカウンセラーに相談していました。
そこに麗香が現れ世界が自分を中心に回っているとしてか思えないコメントを連発します。そして幸太郎の履歴書を見て「趣味は映画鑑賞に読書、音楽鑑賞ですって?すなおにアニメにアニソンにエロゲって書けばいいじゃん」とバッサリ。あれ?何でこんなに胸が痛いの?
そんな最悪の出会いだった二人が、ミニコミ誌を作る会社の面接で再会。まともな会社が無いと嘆く麗香は「だったら自分で作ればいいんだ」と、SOS団自分の会社設立に奔走。幸太郎はそれに思いっきり巻き込まれます。ツンデレ萌えでハルヒ好きの彼は、どうしても麗香から目を離せなかったんですね。
社用車が欲しいとモーターショーに乗り込んでベンツを強奪した後、やっぱり光岡自動車のオロチがいいと(強引に)乗り換えたり、借り手の無かったテナントを1週間無料で借りあげたりと、良くも悪くも才覚を発揮した麗香によって会社はどんどん形となっていきます。
しかし、このハイスピード設立の裏にはマインドシークの息がかかっていた事も見逃せません。ジェニファーはハリウッド俳優の婚約者の地位に満足せずに自分の手から飛び出した夕子に興味を持ち、対美由紀の切り札として改めてメフィストに引き入れようとしていました。
そしてその夕子も自分を特別な存在にしてくれたジェニファーとそのバックグラウンドに強い関心を持っていました。勝手に日本に戻った後悶々としていた夕子は、その後全くコンタクトを取ってこないジェニファー達に業を煮やし、だったら彼らが声をかけてくれる存在たろうと会社を設立した、という背景があります。
利害が一致した両名でしたが、それに待ったをかけるのが我らが岬 美由紀です。
美由紀は夕子の自殺を止められなかった事を悔やんでおり、また夕子に友里 佐知子や鬼芭 阿諛子の影を見ていました。だからメフィスト加入テストでピンチに陥った夕子の助っ人要請を無視する事は出来ませんでした。
で、夕子では答えられなかったテストを次々とクリアしていく美由紀ですが、どうもこのテスト問題によって美由紀は過去の記憶を呼び覚まされたようです。
嫌な話ですが多分過去に美由紀自身が何らかの性的暴行・・・まぁぶっちゃければ強姦されたんじゃないかと思われます。全てを思い出した美由紀が「わたしは、処女じゃないわ」と語っているのもそれを匂わせていますし。
その前に夕子も同様の過去を思い出している描写があり、何だかこの先の展開がちょっと憂鬱ですね(;´Д`)。結局この記憶はジェニファーの手によって一旦押さえ込まれるわけですが、これは次巻で明らかになるでしょう。
またこのメフィストのテストでは、夕子とジェニファーとの間で興味深い会話が行われています。夕子が自己愛性人格障害を患っている事は既に周知の事実ですが、実はジェニファーも同じだと言うのです。
ジェニファーが夕子をメフィストに引き込もうとしているのも、それを美由紀が救う過程で完治が難しいとされる自己愛性人格障害にどう対処するのか確認する為、というのが夕子の見立てです。
結局この時美由紀が夕子に取った対応は、夕子に自己愛性人格障害に対する理解を促すよう諭す事だったわけですが、それに落胆している発言をジェニファーがしている事からも図星だったと言うことでしょう。
ジェニファーは警察に逮捕されかけた夕子を救う為だけに、東京湾北縁断層(活断層)にベルティック・プラズマ爆弾を仕掛け、人工地震を引き起こしました。そしてその経費を地震保険で回収する為、もう一度都心で大規模な人工地震を起こす計画を立てていました。
先ほどの記憶封印作業によって気を失いつつある美由紀に、夕子はとある暗号を使って起爆場所を伝えます。
「美由紀!その気があるならペコポンに来い!宇宙探偵の時間だと幸太郎に伝えとけ!」
・・・ケロロ知らないとほんと意味不明の暗号なんですけど(;´Д`)。
東京湾沖の海底活断層での攻防は「亡国のイージス」クライマックスを彷彿とさせる感じでしたね。
すんでのところでまたもや美由紀に計画を阻止されたジェニファー・レイン。日中会戦を阻止したのが美由紀だった事を内部で知らされていなかった事が明らかになったりと、どうも「グレート」の名を冠する特別顧問として彼女は格下のようで、今後どう反撃してくれるのかが気になるところですね。ていうかいい加減ダビデ出て来いよと。
ひとまず事件に決着が付きました。夕子は会社を解散せずカウンセリングを生業とする事業を行う事になり、幸太郎も心理相談員を目指しながら彼女を支えていく事になりました。
夕子と美由紀の和解や、彼女の更正がこんなに早く訪れるとは思いませんでしたが、これも松岡さんが新シリーズで意識しているスピード感故なんでしょう。今後は一ノ瀬 恵梨香同様、美由紀のピンチに助けとなってくれる存在になると思われます。再登場が楽しみですね。
そして巻末の後書きでは、過去のシリーズの改訂を「クラシックシリーズ 完全版」として再度角川から刊行していくとの宣言が有りました。まるで「水曜どうでしょう」のような展開です。何でも1作目から伊吹や鬼芭 阿諛子が登場するとか。新作と平行して出していくってんだから、やっぱり松岡さんは凄すぎる。どんだけ多筆なんだよ。
本文中で舎利弗が幸太郎に「「驚愕」もう読んだ?」って言ってましたけど、これは谷川さんへのあてつけに見えて仕方無い。ファンとして純粋に期待しているのかもしれませんけども('∀`)。
次回は「千里眼 美由紀の正体」です。
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千里眼の角川移籍後、何かにつけケロロだのハルヒだの小出しにしてきましたけど、今回のは酷すぎる。もっとやっちゃってください。
間違い無い、松岡さんはハルヒシリーズにハマってしまったんでしょう。リップサービスの領域を軽く超えてますよ、この引用具合は。
その位正直言って今作はハルヒの事を知らない人が読むと「??」ってなってしまう描写が多すぎます。
さて今回は帯で煽っているように「水晶体の女」こと西之原夕子が再登場します。「千里眼の水晶体」で登場した彼女は、クライマックスで自分よりもワクチンを優先した美由紀に絶望して飛び降り自殺を図ります。しかし、それをマインドシークのジェニファー・レインが助けていました。
それはジェニファーが何度も辛酸を舐めさせられた美由紀に対する復讐の手駒としてである事は誰の目に見ても明らかでしたが、今作で再登場した彼女は大方の予想とちょっと異なっていました。
というのも整形してハリウッド俳優の婚約者に仕立て上げられた後、夕子は特にメフィストの教育を受ける事も無かったからです。挙句の果てに、私生活の彼に幻滅した彼女は勝手に日本に舞い戻り、京城 麗香として生活をしていました。
そんな麗香とハローワークでたまたま出会った鳥沢 幸太郎が今回の被害者かつ主人公です。
変化の無い事務仕事にウンザリして会社を辞めてNEET状態の彼は、趣味丸出しで「ツンデレメイド喫茶の店長をやりたい」という願望をオブラートに包みつつ、のらりくらりとハロワに詰めているカウンセラーに相談していました。
そこに麗香が現れ世界が自分を中心に回っているとしてか思えないコメントを連発します。そして幸太郎の履歴書を見て「趣味は映画鑑賞に読書、音楽鑑賞ですって?すなおにアニメにアニソンにエロゲって書けばいいじゃん」とバッサリ。あれ?何でこんなに胸が痛いの?
そんな最悪の出会いだった二人が、ミニコミ誌を作る会社の面接で再会。まともな会社が無いと嘆く麗香は「だったら自分で作ればいいんだ」と、
社用車が欲しいとモーターショーに乗り込んでベンツを強奪した後、やっぱり光岡自動車のオロチがいいと(強引に)乗り換えたり、借り手の無かったテナントを1週間無料で借りあげたりと、良くも悪くも才覚を発揮した麗香によって会社はどんどん形となっていきます。
しかし、このハイスピード設立の裏にはマインドシークの息がかかっていた事も見逃せません。ジェニファーはハリウッド俳優の婚約者の地位に満足せずに自分の手から飛び出した夕子に興味を持ち、対美由紀の切り札として改めてメフィストに引き入れようとしていました。
そしてその夕子も自分を特別な存在にしてくれたジェニファーとそのバックグラウンドに強い関心を持っていました。勝手に日本に戻った後悶々としていた夕子は、その後全くコンタクトを取ってこないジェニファー達に業を煮やし、だったら彼らが声をかけてくれる存在たろうと会社を設立した、という背景があります。
利害が一致した両名でしたが、それに待ったをかけるのが我らが岬 美由紀です。
美由紀は夕子の自殺を止められなかった事を悔やんでおり、また夕子に友里 佐知子や鬼芭 阿諛子の影を見ていました。だからメフィスト加入テストでピンチに陥った夕子の助っ人要請を無視する事は出来ませんでした。
で、夕子では答えられなかったテストを次々とクリアしていく美由紀ですが、どうもこのテスト問題によって美由紀は過去の記憶を呼び覚まされたようです。
嫌な話ですが多分過去に美由紀自身が何らかの性的暴行・・・まぁぶっちゃければ強姦されたんじゃないかと思われます。全てを思い出した美由紀が「わたしは、処女じゃないわ」と語っているのもそれを匂わせていますし。
その前に夕子も同様の過去を思い出している描写があり、何だかこの先の展開がちょっと憂鬱ですね(;´Д`)。結局この記憶はジェニファーの手によって一旦押さえ込まれるわけですが、これは次巻で明らかになるでしょう。
またこのメフィストのテストでは、夕子とジェニファーとの間で興味深い会話が行われています。夕子が自己愛性人格障害を患っている事は既に周知の事実ですが、実はジェニファーも同じだと言うのです。
ジェニファーが夕子をメフィストに引き込もうとしているのも、それを美由紀が救う過程で完治が難しいとされる自己愛性人格障害にどう対処するのか確認する為、というのが夕子の見立てです。
結局この時美由紀が夕子に取った対応は、夕子に自己愛性人格障害に対する理解を促すよう諭す事だったわけですが、それに落胆している発言をジェニファーがしている事からも図星だったと言うことでしょう。
ジェニファーは警察に逮捕されかけた夕子を救う為だけに、東京湾北縁断層(活断層)にベルティック・プラズマ爆弾を仕掛け、人工地震を引き起こしました。そしてその経費を地震保険で回収する為、もう一度都心で大規模な人工地震を起こす計画を立てていました。
先ほどの記憶封印作業によって気を失いつつある美由紀に、夕子はとある暗号を使って起爆場所を伝えます。
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東京湾沖の海底活断層での攻防は「亡国のイージス」クライマックスを彷彿とさせる感じでしたね。
すんでのところでまたもや美由紀に計画を阻止されたジェニファー・レイン。日中会戦を阻止したのが美由紀だった事を内部で知らされていなかった事が明らかになったりと、どうも「グレート」の名を冠する特別顧問として彼女は格下のようで、今後どう反撃してくれるのかが気になるところですね。ていうかいい加減ダビデ出て来いよと。
ひとまず事件に決着が付きました。夕子は会社を解散せずカウンセリングを生業とする事業を行う事になり、幸太郎も心理相談員を目指しながら彼女を支えていく事になりました。
夕子と美由紀の和解や、彼女の更正がこんなに早く訪れるとは思いませんでしたが、これも松岡さんが新シリーズで意識しているスピード感故なんでしょう。今後は一ノ瀬 恵梨香同様、美由紀のピンチに助けとなってくれる存在になると思われます。再登場が楽しみですね。
そして巻末の後書きでは、過去のシリーズの改訂を「クラシックシリーズ 完全版」として再度角川から刊行していくとの宣言が有りました。まるで「水曜どうでしょう」のような展開です。何でも1作目から伊吹や鬼芭 阿諛子が登場するとか。新作と平行して出していくってんだから、やっぱり松岡さんは凄すぎる。どんだけ多筆なんだよ。
本文中で舎利弗が幸太郎に「「驚愕」もう読んだ?」って言ってましたけど、これは谷川さんへのあてつけに見えて仕方無い。ファンとして純粋に期待しているのかもしれませんけども('∀`)。
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