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総帥Diary - 徒然なるままに -

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「マジシャン」読了 

マジシャン (小学館文庫)
結構ページ多めの作品でしたが連休中に一気に読んじゃいました。

催眠や千里眼シリーズがカウンセリングや精神医学をストーリーの軸に置いているように、この作品では「マジック」が物語と密接につながっています。と言っても実際にはマジックそのものよりも、そのマジックを成立させる要素としてのトリックや騙しの駆け引きがクローズアップされている感があります。以後ネタバレ注意。
手を触れていないのに目の前で金が倍になる、そんな突拍子も無い現象を複数の人間が経験するところからこの物語は幕を開ける。その事件を悪質な詐欺事件と睨んで捜査を開始する警視庁捜査二課の舛城警部補は、事件を追い掛けるうちに里見沙希という類稀なるマジシャンの素質を持つ15歳の少女と出会う。

その際舛城は10年前に逮捕した詐欺師の飯倉と再会する。飯倉は過去に沙希の両親であるマジシャン夫婦に世話になっており、その両親が亡くなった後は沙希を引き取って後見人になっていたのだという。

捜査を進めるうちにこの詐欺事件がマジックのトリックにより巧みに演出されたものであることや、その黒幕が沙希の所属しているマジシャンプロダクションの社長である吉賀が仕組んだものである事が判明。このプロダクションのオーナーが飯倉であることから、舛城は飯倉こそが真の黒幕ではないかと疑う。

またこの事件以外にも吉賀は複数のトリックを利用した詐欺事件を起こしていた。それらの詐欺を沙希の協力により看破しながら舛城は事件の核心に迫っていく・・・

というわけで、「催眠」の嵯峨、「千里眼」の美由紀、そして今回は第3の主人公として沙希が登場するわけですが、読んでいくと実はそれ程沙希は主人公として大立ち回りする事は無い事が分かります。むしろ今作の主人公は舛城警部補なんです。

舛城はそもそも世間を騒がしていた「XEウイルス」の捜査に投入されるはずでした。しかしXEウイルスの猛威が銀行統合へ与える影響を最優先に考え、この詐欺事件を切り捨てようとする上層部に舛城は反発し詐欺事件の捜査に執着します。何とかこの事件の捜査の許可を取り付けたものの、それはあくまで期間限定の話。当然ながら捜査本部も存在しません。挙句割り当てられた人員と言えば、キャリアの新米刑事と科捜研のお嬢様新人の2人だけ。

この状況に苦労しながら真実に辿り着くのをサポートするのが沙希のポジションとなります。沙希は確かに年齢不相応の大人びたところもあり、トリックを見抜く慧眼の持ち主ですがあくまで彼女は15歳の子供です。ですから彼女はこの事件の真相を解決するところまでは至りませんし、真犯人が仕掛けた罠も知らず知らずのうちに回避しただけで、彼女自身には全ての真相が知らされないまま物語はその幕を閉じます。

聡明な沙希の事ですから実際にはかなりの概要を知っていたのではないかと思われますが、敢えてそういったやりとりをエピソードとして入れずに終わらせたのは、彼女の立ち位置が美由紀のようなスーパーウーマンではなくて、嵯峨のようにあくまでも一般人なんだということを強調したからだったのかもしれませんね。

ところで今作はマジックをモチーフにした詐欺事件以外に、コンピュータウィルスもストーリーに絡んできます。そのウィルスに関係する記述はちょっと微妙でした。例えばXEウィルスってのは感染後に「ウィルスがコンピュータ内のニューズグループを参照してプラグインをダウンロードして自身を進化させていく」代物なんだそうですが、ニューズグループってのはザックリ言えばインターネット上で利用出来る掲示板サービスみたいなものなんで、PCローカル内に存在するようなものじゃないですよ。

それとかATMへのウィルス感染を防ぐ為にドメインコントローラのセキュリティポリシーを制御して、ATMシステムの共有資源に対するコンピュータアカウントからの外部アクセスを無効にする云々の話も出てきますが、ATMネットワークにActiveDirectoryはさすがに無いでしょう(;´Д`)。まぁ松岡さん自身はIT専門職ではない訳ですからその割には結構書けている方なんですけど、さすがにこの方面で飯食ってる小職としては気になる表現でした。

次回は「千里眼 マジシャンの少女」です。久しぶりに千里眼シリーズに戻ります。美由紀と沙希がどのように出会い活躍するのか非常に楽しみです。
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