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総帥Diary - 徒然なるままに -

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「千里眼 The Start」読了 

千里眼The Start
角川で3冊同時刊行となった千里眼新シリーズ1作目になる「千里眼 The Start」を読み終わりました。相変わらずネタバレ前提でのレビューですのでご注意を。
まず冒頭では前12作を読んできたファンにとっては「おさらい」となる美由紀の略歴が語られます。ここまで要約出来るなら「ヘーメラー」「トランスオブウォー」のアレももうちょっとスマートに(ry

この略歴紹介は美由紀が無断で楚樫呂島に救難ヘリを飛ばした事に対する査問会議での一幕です。楚樫呂島で美由紀は友里と出会い、それを契機に自衛隊を退官、臨床心理士を目指す事になった、というのがこれまで描かれてきた美由紀のカウンセラーとしての原点でしたが、今作でその内容に変更が加えられています。

美由紀がヘリを飛ばした時、上官である板村三佐はそれを黙認し、救難部隊に一次編入されたとの虚偽の事後報告で美由紀を守ろうとしました。今回の問題を嘱託医として分析した精神科医の笹島は、美由紀と板村の規則違反はそれぞれが抱える過去のトラウマによって引き起こされたものと断定します。

結局板村は解任、それに納得出来ない美由紀も退官。笹島の主張したトラウマ理論に疑問を持つ美由紀は、その主張が誤りだった事を証明し板村を復職させる為、臨床心理士を目指す事になりました。

臨床心理士を目指す美由紀の研修担当官となったのが、今回初登場となる舎利弗です。彼は一言で表すならまぁピザのキモオタですな(;´Д`)。舎利弗は美由紀が心理学の知識として挙げた「視線の動きに連動される心理」を非科学的なものだと切り捨てます。

ここで従来のファンは「え!?」っと驚いた筈です。だってこの視線による相手の心理把握はこれまで散々描写されてきたものですからね。これを否定している舎利弗は一体何者なんだって話になるわけですよ。

私はこの時点では舎利弗がインチキ臨床心理士か、メフィストあたりの黒いバックグラウンドでもあるんじゃないかと邪推してたんですが、結論を言えばそんな事は無く至って善良な人間でした(オタクですけど)。

今作では巻末に珍しく松岡さんの後書きがあって、この描写のギャップについてきちんと解説されてました。従来のシリーズはエンターテインメント性を持たせる為に、当時仮定的だった心理学の様々な要素を現実のものとして描写していたが、新シリーズではより現実に即した形に路線変更した、と。だから美由紀が視線の動きで相手の心を読む、という描写は今後一切出てこない筈です。

その後舎利弗の指導でめきめきと頭角を現した美由紀は、自分のマンションの管理人が空き巣兼通り魔だった事を見抜いたり、勘違いから自殺に追い込まれそうになったダメリーマンを助けたりと資格取得前から大活躍。その一方で他人の恋愛感情を読み取れない欠点?が明らかになったり、他人の心を読み取る能力に長けるが故に孤独を深めていく過程も描かれます。

そんな回想が終わり時は現在(どうやら時期設定は「背徳のシンデレラ」のちょい後らしい)。曰く付きのフリーライター好摩が週刊誌に書いた飛行機事故予言が物語のトリガーとなるのですが、「背徳のシンデレラ」でも序盤で飛行機テロの話があったのでちょっと新鮮味には欠けるかも。

事実確認で好摩を訪れるも既に彼は部屋で殺害されていました。この現場で美由紀は笹島と再会します。笹島が航空機パイロットや乗務員の心理分析を専門に行う精神科医を目指したのは、彼の両親が飛行機事故で死亡した事に端を発していました。笹島に反発していた美由紀でしたが、彼の真摯な姿勢に心を打たれ和解、飛行機テロを阻止すべく二人だけの捜査を開始します。

捜査の過程で好摩がケシの栽培に手を染めていた事、彼の内縁の妻が麻薬組織の元締めをしており、好摩はそこで稼いだ資金を使い飛行機テロを起こそうとしていた事が分かります。アジトで麻薬を打たれた美由紀は海に放り込まれて死に掛けますが、笹島の助けで九死に一生を得、その後元締めの爆薬取引現場を押さえる事に成功します。

しかしその現場で取引されていたのは麻薬でした。そして元締めの女から美由紀は衝撃の事実を伝えられます。何と元締めの夫は好摩ではなく笹島だったのです。笹島は両親の飛行機事故そのものではなく、事故を起こした航空会社ひいては業界そのものを恨み、業界全体にダメージを与える為に今回の事故を画策していました。

美由紀がそれを見抜けなかったのは笹島の復讐心が有る意味純粋なものであり、自身がそれを正義と信じていたから。また笹島が自分を愛しており、その笹島との関係を美由紀が快いものと感じ始めて居た事も原因として挙げられるでしょう。

真実を知った美由紀の活躍によりテロは未遂に終わり笹島は御用。こうして今回の事件は幕を閉じました。

後半麻薬を打たれて死にかけた美由紀は心身共に弱りかけていたのか、笹島のキスを受け入れいます。美由紀もまんざらで無い感じで、どうみても「俺、この事件が終わったら美由紀と付き合うんだ」って感じにしか見えず、これは最後に笹島が美由紀をかばって死ぬに違いないと思ってたら「ボク実は黒幕でした」てそりゃあんまりだ('A`)

まぁ有る意味物語上では死んだも同然ですから有る意味ほっとしましたけどね。だって「ブラッドタイプ」で散々嵯峨との関係を描いていたのに、ポッと出の新人?と恋仲になられても読み手としては正直納得いきませんよ。

今作でどうやら美由紀は恋愛感情を読み取るスキルも習得したようなので、今後のシリーズでもこうした話が出てくるのかもしれませんが、私はやっぱり嵯峨以外の人間とはくっついて欲しくないですね。

新シリーズ1作目としてはまずまずの出だしだったと思いますが、1冊の物語として見た場合ちょっと物足りなさは否めないかなぁ。半分位は過去話ですし、メインの飛行機テロの部分はかなり駆け足で、千里眼シリーズの醍醐味であるクライマックスに訪れるカタルシスが今回は殆どありませんでした。

途中にエピソードが差し込まれていたメフィストのジェニファー・レインが画策する「見えない兵器」の話が次巻につながるようですので、この点に期待。

次回は「千里眼 ファントム・クォーター」です。
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