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総帥Diary - 徒然なるままに -

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「千里眼の水晶体」読了 

千里眼の水晶体
新シリーズとして同時刊行された3冊目となる「千里眼の水晶体」を読み終わりました。ネタばれしまくり。
山形から羽田に到着した飛行機から降りようとしない女性が居ました。その女性の名は篠山里佳子。仕事の都合で東京に向かう夫に同行していた彼女は極度の不潔恐怖症でした。フライトの間中トイレに篭って手を洗い続けていた里佳子は羽田到着後も手を洗い続け、飛行機から降りる事を拒絶していたのです。

国土交通省の要請に応じて羽田を訪れた美由紀は里佳子の説得に成功しましたが、今度は彼女の滞在先ホテルを刑事が訪れ、彼女が山形で発生した山火事の容疑者であると告げます。

夫の正平は妻の潔白を訴え、彼が真実を語っている事を表情から読み取った美由紀は、里佳子の潔白を晴らす為正平と共に山形に向かいます。

刑事が里佳子を容疑者であると主張したのには根拠がありました。山火事の実行犯だと自首した男が、ネットで出会った里佳子から電話で実行指示を受けたと主張し、実際に男の自宅の留守番電話に里佳子の声が録音されていたからです。

しかし美由紀の選択的注意により、この音声が5年前に録音されたものだった事が判明し、里佳子が何者かに濡れ衣を着せられようとしていた事が証明されました。これでひと安心と思った矢先、今度は千代田区赤十字医療センターに急遽呼び出されます。

かつて日本軍が山形山中の研究所で開発したウイルス細菌兵器「冠摩」。冠摩は終戦時にGHQに接収されましたが、当時の杜撰な検査により問題無しとされ秋田県戦史展示館に保管されていました。

この冠摩が何者かに盗まれ散布された事で多数の感染者が発生していたのです。感染者には篠山里佳子だけでなく、美由紀の友人である雪村藍も含まれていました。藍も里佳子同様不潔恐怖症であり、赤十字医療センターには多くの不潔恐怖症が運び込まれていました。彼らは清潔さを求めすぎた故に、通常の人間よりも免疫力が低くなっていたのです。

冠摩接収時にワクチンに関する情報は存在しなかったとされており、当時研究所があった場所は、里佳子が容疑者になった山火事によって完全に消失。これは冠摩の存在を知る人間が、周到な準備によって実行した計画的犯行です。

里佳子や藍の命はもってあと2?3日。最早一刻の猶予もありません。手がかりを求めて奔走する美由紀のもとに、山形の刑事から連絡が入ります。里佳子を騙った人間が分かったというのです。犯人の名は西之原夕子。ネットで出会った男を騙して金品を奪い取る詐欺師として指名手配されていました。

夕子は山火事の実行犯として自首した男に「近いうちに病院が万床になり、死に至る人間が続出する」と話をしていたらしく、夕子が冠摩の事件に何らかの関わりを持っているのは間違いありません。

山火事の男が夕子から受け取った写メを見て、彼女の潜伏先が京都であると確信した美由紀は一路京都へ。カモにしていた男に殺されかけた夕子を助けた美由紀は、自己愛性人格障害の夕子を救いたい一心で彼女を都内の自宅に保護します。

その頃、舎利弗は臨床心理士会が召集した不潔恐怖症の人達に、ウイルス感染を防ぐ為にも潔癖症から一刻も早く脱却するよう訴えていました。しかし事態の深刻さを認識していない彼らは、誰も舎利弗の言葉に耳を傾けようとしません。そんな荒れる会場に美由紀が現れます。彼女は藍から不潔恐怖症の人へのビデオメッセージを携えていました。

冠摩に感染し今まさに命の火を消そうとしている藍。そんな彼女が我が身より、同じ悩みを持つ彼らの身を案じている。その真摯な訴えは不潔恐怖症の人々の心に届きました。

この変化を伝え少しでも希望を持って貰おうと篠山正平のオフィスを訪れた美由紀でしたが、そこで驚愕の事実を知る事になります。何と冠摩をばらまいた犯人は篠山正平で、しかも西之原夕子は彼の異母兄妹だったと言うのです。

古物商を営む中で冠摩の存在を記したGHQ文書を入手した正平は、冠摩を利用して里佳子の不潔恐怖症を治すトンデモ計画を立てました。

ウイルスは真っ先に免疫力が低くなった不潔恐怖症の人間を襲う。その事実を里佳子が知れば、潔癖症を直してくれると彼は信じたのです。正平は冠摩の感染はいずれワクチンで食い止められると踏んでいましたが、ワクチンに関する情報は夕子が仕掛けた山火事によって消失してしまいました。

慕っていた兄を里佳子に奪われたと逆恨みしていた夕子は、ワクチンにつながる情報を山火事によって消し去り、その罪を里佳子に押し付けるという一石二鳥の犯罪を画策したわけです。

それなんてギャルゲ?って感じの展開になって参りましたが、ともかくこれで事件は全て繋がりました。しかし肝心のワクチンに関しては絶望的な状況。

米軍の記録では接収時に冠摩ワクチンに関する情報は見つからなかった、とされていましたが、その後の調査で研究施設で自害した日本軍人が山中に放った拳銃の弾頭に、ワクチン情報を記録したマイクロフィルムが埋め込まれていた可能性が出てきました。

ここから先はダイジェストでお楽しみください。

・冠摩回収に関わった退役軍人に話を聞く為、自衛隊に一時復帰した美由紀がF15Jを駆ってハワイにGo!

・退役軍人の日記から弾頭が打ち込まれた赤松が山梨に移植されていた事が判明。

・山梨の赤松は山林を買い取ったホテルが建築資材として売却してしまった。

・弾痕が刻まれた赤松は建築資材には不適当と判断され明治神宮に献木されていた。

・美由紀の選択的注意によって明治神宮内にその赤松を発見。

・木の中にマイクロフィルムあたよ\(^o^)/

・・・・・・いやいやいや、いくらなんでもこりゃ都合良過ぎだろ(;´Д`)

幾重もの奇跡によりワクチン精製に成功したものの、このワクチンを看護師に化けた夕子にまんまと強奪されてしまいます。ドン・キホーテの非常階段に逃げ込んだ夕子と対峙する美由紀。

前からちょっと気になってたんですが、松岡作品ではギャル系の子や蓮っ葉な女性の言葉遣いの語尾に「じゃん」を付ける傾向があります。何かこれちょっと時代錯誤な気がしません?。いつの時代のハマっ子かと。

まぁ恵梨香はぎりぎりセーフ(年齢的にはアウト)だと思いますが、今回の夕子もこの調子で喋るんですよ。そんなハマっ子な夕子さんがこの場面で発したセリフが「てめえ、わたしを助けなさいよ!わたし、人格障害じゃん。」です。

緊迫した状況の筈なんですが、電車の中で読んでて思わず;:゙;`(;゚;ж;゚; )ブフォ!!

松岡さん・・・このセリフはねーよ・・・

夕子も助けたいが、命の危機に瀕した里佳子の方が今は優先と告げた美由紀の言葉に絶望した夕子は非常階段から身を投げます。里佳子や藍の命は助かりましたが、何とも後味の悪い最後でした。

とまぁこれで夕子が居なくなるわけもなく、案の定マインドシークのジェニファーが裏で手を回して夕子を助けていました。あのタイミングでどうやって飛び降りた夕子を救えるのかさっぱり分かりませんが、そこはメフィストクォリティ。

ジェニファーは夕子を整形し、彼女が憧れていたハリウッド俳優の婚約者に仕立て上げました。ジェニファーの思惑を知る由も無い夕子は、夢に描いてた展開に「あ?生きてて良がった?自分を信じ続けて良がった?」と感動しきり。

前にも書きましたけど、多分松岡さんはジェニファーを新シリーズにおける友里佐知子にしたいんだと思います。夕子の知略に富んだ頭の回転の速さは美由紀も舌を巻く程のものでしたし、今回の事件によって彼女の美由紀に対する憎悪は相当根の深いものになった筈です。

美由紀を敵視するジェニファーの手駒として、これ以上の逸材は無いでしょう。かつて友里佐知子が手駒として育てた鬼芭阿諛子のように、メフィスト流の教育を施された夕子がどんな形で美由紀と再び相見えるのか非常に楽しみです。

最後に気になった点をいくつか。

夕子はどうやって5年前に種子島宇宙センターを見学していた里佳子の声を録音出来たんでしょうか?。二人の旅行をこっそりつけて、里佳子がどこかに電話した時を狙ってこっそり録音したとしか考えられませんよね。

ていうかこの時夕子は何の目的で里佳子の声を録音したんだしょう。当時里佳子はまだ不潔恐怖症にはなってませんから、正平が冠摩事件を考える事は無かった筈ですし。まだ具体的な計画には至って無かったけど、里佳子を嵌めるアイテムとしてゲットしたって事なのか。いずれにせよその執念にガクブル。

ハワイに向かう際、F15Jの整備士に自衛隊と臨床心理士の職場の違いを「ドラえもんとケロロ軍曹ぐらい異なる」と言ってましたけど、何か分かるようで分からない比喩ですね(;´Д`)。まぁ出版元が小学館から角川に移ったので、リップサービスの一環だったのかな。

タイトルの「千里眼の水晶体」ですけど、ちょっと今回はタイトルと本文の関連性が薄かったですね。正平の正体を見抜けなかった美由紀を夕子が揶揄した際に出てきたフレーズから取っているわけですが、何だかちょっと押しが弱いかなぁと思いました。

ウイルス騒ぎをどう収束するのかが今回の見ものだったと思うのですが、その過程があまりにもご都合主義的展開だったのが残念。背表紙に書いてある「前2作を越える精緻なプロット」はちょっと看板に偽り有りかと。

あと今回は美由紀の行動が目に余ります。ハワイに飛ぶ為だけに一時的に自衛隊に復帰したり、伊丹の病院にベンツCLS550を置きっぱなしにしてランボルギーニ・ガヤルドを購入していたり、山梨では勝手に自衛隊のジープを乗り回してホテルの人間にそれを任せて帰ったり、ともうやりたい放題(;´Д`)。

旧シリーズでも美由紀は「千里眼」と呼ばれる事を忌み嫌い「自分は普通の人間で特別な存在ではなく、自衛隊時代に養われた動体視力によって相手の表情変化を常人以上に読み取れるだけ」と主張し続けていましたが、新シリーズでは同様の説明は出るものの、以前より否定のトーンが低くなっているような気がします。

どうも新シリーズに入ってから、美由紀が自分自身をどこか特別視しているんじゃないでしょうか?。「私には表情を見れば真実が分かるけど、それをうまく説明出来ない」って、そりゃ刑事でなくても「はぁ?」って思いますよね。何だか文字だけ見てると随分鼻持ちならない人物のように感じられわけで。

旧シリーズで見えた美由紀の謙虚さが失われるつつあるのが読んでて非常に気がかりです。この後痛い目に合わなければいいんですが・・・

というわけで次回は「千里眼 ミッドタウンタワーの迷宮」です。
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