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総帥Diary - 徒然なるままに -

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「千里眼 ミッドタウンタワーの迷宮」読了 

千里眼ミッドタウンタワーの迷宮
新シリーズ4冊目の「千里眼 ミッドタウンタワーの迷宮」を読み終わりました。ネタばれご注意。
今回クローズアップされるのは新シリーズから登場した美由紀の友人、高遠由愛香。東京ミッドタウンにフランス料理店をオープンさせ、相変わらず華やかな実業家ぶりを見せ付けていた彼女ですが、その裏で実はのっぴきならない状況に陥っていました。

由愛香は中国大使館で非公式に開かれていたギャンブルにすっかりハマってしまい、所有する財産の殆どを巻き上げられていたのです。ミッドタウンタワー高層会から超高性能望遠鏡を使ったインチキが行われた事実を知った美由紀は、由愛香にギャンブルを止めるよう諭しますが、それに反発した彼女は負の感情剥き出しで美由紀に噛み付きます。

美由紀はその言葉に大きな衝撃を受けますが、それでもイカサマ賭博で由愛香が身を滅ぼすのを見過ごす事は出来ません。由愛香に付き添い大使館を訪れた美由紀はイカサマを巧みにかわして一旦は勝ちを得ますが、その程度では負債を完済する事は到底適いませんでした。

結局由愛香は美由紀の制止を振り切り再度賭博に参加してしまいます。美由紀が辿り着いた頃には、由愛香はすっからかんになっていました。由愛香に泣きつかれて再度勝負に挑んだ美由紀でしたが、勝負の途中から相手の表情を何故か読めなくなります。

これは大使館側が仕掛けた罠でした。チップを全て無くした由愛香は、美由紀が普段使っている目薬を大使館側が用意したものとすり替える条件で追加のチップを借り受けていたのです。由愛香さんDQN道まっしぐら(;´Д`)。

この目薬で美由紀の視神経は壊死し、千里眼としての最大の武器だった動体視力を失ってしまいます。この状況に動揺し相手の表情を読めなくなった美由紀はゲームに大負け。また動体視力の喪失は彼女の格闘術にまで影響を及ぼし、いつものピンチ時の大立ち回りも一切出来ません。

前作「千里眼の水晶体」のレビューで「美由紀が痛い目に合わなければいいんですが」と最後に書いたんですが、案の定今回はまさにそれが的中した形になりました。

まぁ危機の度合いとしては「トランスオブウォー」で収容所送りになった時の方が半端無かったですし、小説帯に書かれている「生涯最大のピンチ!」はちょっと煽りすぎだろとは思うわけですが、確かに美由紀自身が危機的状況に陥るのは随分と久し振りですよね。

借金のカタに性奴隷にされそうになった由愛香を助ける為、美由紀は敵が要求してきた防衛統合司令本局の所在地を喋ってしまいます。防衛統合司令本局とは表向き存在しない組織であり、日本防衛の要となる拠点です(福井作品で言うところの市ヶ谷ダイスみたいなもんか)。

この存在が他国に漏れれば、日本は存亡の危機に晒されてしまうのですが、由愛香がアレされてしまうのを防ぐには喋るしか無かったわけです・・・ってさすがにそれは口軽すぎだろ(;´Д`)。DQN女一人の身の安全と国防とじゃ全く釣り合わん。

ボロボロの状態で貨物列車に放り込まれた美由紀を助けたのは雪村藍と舎利弗でした。前作で美由紀に命を救われた藍は、今度は自分の番とばかりに大奮闘。そんな藍に引き摺られ、いつも事務所に引き篭もってばかりの舎利弗も今回は好アシストを見せます。

大使館賭博の黒幕である蒋が防衛統合司令本局の情報を本国に伝えた結果、その真偽を確認する為に共産党最高指導部の呉が急遽来日していました。

蒋達が大使館でチャリティと偽ったイカサマ賭博を行い、その利益を過小報告して着服している事実を伝えれば、今の状況を変えられると考えた藍は舎利弗を伴い「國家告密的人(日本在住の情報屋)」を偽って呉に接触します。

その後再度大使館に乗り込んだ美由紀は奇跡的に動体視力の回復を果たし、呉が見ている目の前で蒋達が仕組んだカードゲームのイカサマを暴く事に成功、イカサマ賭博の実態や利益着服の事実を訴えました。追い詰められた蒋は、逆に美由紀が元自衛官である事や防衛統合司令本局の情報を漏らした事を暴露して反撃に出ます。

しかしこれは美由紀が仕組んだ罠でした。呉は藍達が國家告密的人では無い事を見抜いており、この接触を日本政府の情報工作だと考えていました。馬脚を現した蒋がそれと同じ情報を伝えてきた事で、蒋が信じるに足らない人間であるという状況を決定付けたわけです。

これで一件落着かと思いきや、今度は蒋が由愛香を人質にして現場から逃げようとし、それを受けて「私を殺しなさい」と清算の仕方を勘違いした由愛香と揉み合っている内に、由愛香が拳銃で撃たれてしまいます(;´Д`)。蒋は撃つ気無かったんですけど・・・

こりゃやばいと車で病院に向かいますが、拳銃で撃たれた人間の治療に尻込みするばかりで埒があきません。そうこうしている内に、現場から一足先に逃亡していた元ミグ29乗りだったディーラーが攻撃ヘリで美由紀の車に襲い掛かります。千里眼名物のクライマックス戦闘シーンの始まりですよヽ(゚∀゚)ノ

執筆当時はまだ完成していなかったミッドタウンタワーは、攻撃ヘリの猛攻でえらい事に。物語冒頭に大使館員が望遠鏡監視をしていたオフィスに逃げ込んだ美由紀は、このフロアの窓ガラスに張られた電磁波を遮断する特殊フィルムを利用し、ヘリに自分自身をロックオンさせる事でヘリ撃破に見事成功しました。

事件の後暫く時は流れ、命を取り留め病院から退院した由愛香を、美由紀がとある場所に連れていきます。そこは由愛香が開店する予定だったミッドタウンタワーのフランス料理店跡地でした。この事件のごたごたで店舗は別のオーナーに契約された筈でしたが、実はそれは美由紀と藍が再契約したものだったのです。

藍の若干のアレンジが入ったものの、店は以前由愛香が進めていたままの姿で存在し、そこには由愛香の回復を祝って従業員、家族、友人達が詰め掛けていました。思わず感極まって涙する由愛香。

「みんなが由愛香を愛している事を信じて欲しい」そう由愛香に伝える美由紀。その言葉は多分美由紀自身に向けたものでもあったんじゃないでしょうか。今回の事件を通じて3人の友情は揺るぎ無いものになったと思います。

こんな感じで美由紀と由愛香は失った財産を取り戻してハッピーエンドで終わった訳ですが、今回非常に気の毒な事になっている人が居ます。それが「千里眼 The Start」に登場した板村元三佐です。

彼も実はイカサマ賭博にハマってしまった一人で、チップ欲しさに自衛隊の航空祭に展示されていた戦闘ヘリを強奪するところまで落ちぶれてしまいました。これがクライマックスで美由紀とのバトルに使われたわけです。

航空祭での強奪騒ぎは物語冒頭で描かれており、これはこれで結構見ごたえのある話でした。板村がヘリ強奪の陽動として自衛隊機地内に設置した偽の小型戦略核爆弾を廃棄する為、「ヘーメラーの千里眼」で登場した美由紀の元彼伊吹一尉と共にミグ25で成層圏まで出るところなんかは手に汗握る展開でしたよ。

板村さんはヘリ強奪には成功したものの、更にインチキ賭博で負けこんでしまい、元自衛官の自分が犯した罪の重さに押し潰され自殺してしまいます(´・ω・`)。

美由紀が楚樫呂島に救難ヘリを飛ばした時、それをフォローした事から板村の人生は狂ってしまったのかもしれません。イカサマ賭博の件はあくまで彼の落ち度と言う見方もありますが、収入の安定した公務員を続けられなくなった事で賭博に手を出してしまった可能性は十分考えられます。

美由紀が大使館内で板村と出会った段階では、まだ美由紀は動体視力を奪われる前でしたし、もっと板村の為に身動きが取れた筈なんですよ。それが由愛香を優先したばかりにあの結果です。美由紀は板村の死を嘆くだけでなく、残された家族の為に出来る限り事(結局金銭面だと思いますけど)をすべきでしょう。

後は今回の見所は、やはり美由紀と由愛香の読んでいて目を背けたくなるやりとりです。由愛香が美由紀に持っていた負の感情って、「千里眼 The Start」に出てきたマンションの隣人とほぼ同じなんですが、今回一つ違うのは美由紀も由愛香に対して自ら壁を作っていた事なんですよね。

由愛香に罵られた美由紀は「確かに以前の私と貴方は醒めた関係だった」とはっきり言ってます。由愛香は美由紀を「持っていると見栄えの良い高価なアクセサリー」と考え、美由紀はそんな由愛香の心に踏み込まず、あれこれ詮索せず、気を遣う事も無い気ままの関係にある種の居心地の良さを感じていたんだと思います。

最初に読んだ時にはとにかく由愛香のDQNっぷりが目立って仕方が無かったんですけど、何度か彼女のセリフを見ていると、全てが的外れな事言っているわけでも無いんですよね。由愛香を助ける為、という免罪符を手に美由紀は確かに特権を行使しまくってます。

イカサマ妨害の為だけに、陸自の同期に頼んで訓練ヘリを六本木上空でホバリングさせた件は確かにどうかと思いますよ。板村の事で懲りているなら、あのタイミングでこんな無茶な要求を古巣の人間に頼める筈が無いんですがね。しかも結局はこの妨害作戦は見破られてしまい無駄骨に終わってますし。

また後半大使館で全てが暴露されて決着が付いた際、呉に対して由愛香と自分の資産の返却を要求していましたけど、あれも如何なものかと思いました。

ミッドタウンタワーからの監視やカードゲームで行っていたイカサマで被害を蒙ったのは、何も美由紀たちだけでは無かった筈です。それなのに自分たちの事しか考えていないように見えるあのシーンにはちょっと首を傾げざるを得なかったなと。

クライマックスでミッドタウンタワーが滅茶苦茶にされた時も、「あなたと蒋が巻き上げた金で弁償して貰うから」ってその金の中に被害者の金も含まれている事をすっかり忘れてしまっているご様子(;´Д`)

一応今回それなりに痛い目にあってはいるものの、美由紀さんはイマイチ自身を悔い改めた感じが見られません。こうなったら早くジェニファーと夕子にボコボコにして貰うしかないと思います。

次回は「千里眼の教室」です。
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