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総帥Diary - 徒然なるままに -

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「千里眼の死角」読了 

千里眼の死角 (小学館文庫)
文庫では第8作目となる「千里眼の死角」を読み終わりました。

以後ネタバレ注意。
世界中で原因不明の人体発火現象が発生し問題になっていた頃、イギリス心理学会のシンポジウムに参加していた嵯峨は、人体発火現象に怯えて精神状態を悪化させていた英国皇太子妃の治療を要請された。

嵯峨と対面した皇太子妃は「時速63マイル以上で移動しないと自分は人体発火で死ぬ」と訴える。関係者は皇太子妃がストレスで幻想を抱いていると決め付けていたが、嵯峨は彼女の言う事を全面的に信じ、皇太子妃を車で宮殿から連れ出す。

カーチェイスの中、嵯峨は皇太子妃が常に身につけているブレスレッドが人体発火と何らかの関係が有る事を直感し、車からブレスレッドを投げ捨てる。そのブレスレッドをホームレスが拾った瞬間、彼は炎に包まれた・・・・

人体発火の被害者は奇しくも「TIME」誌が発表していた「暗殺対象にされやすい人物一覧」に該当しており、人体発火は自然現象ではなく何らかの兵器によるものとの見解に至る。未知の暗殺兵器による世界規模の危機、そんな状況を打開出来る人間は嵯峨の知る限り唯一人、そう我らが岬 美由紀その人である!

いやぁ、いつもながら千里眼シリーズの冒頭は読者をぐいぐい引っ張ってくれますね。「洗脳試験」では飛行機にダイブする羽目になりパニくっていた嵯峨でしたが、今作では打って変わって頼もしい活躍を見せてくれました。その嵯峨が美由紀にヘルプを求め、ストーリーは進んでいきます。

結局この人体発火の原因は、アメリカが極秘裏に建造を進めていた「ディフェンダー衛星」を司るコンピュータをメフィストに乗っ取られた事に起因していました。ディフェンダー衛星とはかつてSDI、スターウォーズ計画として知られた戦略ミサイル防衛構想を具現化したものです。

この衛星を制御するコンピュータが今回の肝になっていて、何でもバイオ素子により構成された極めて人間の脳の仕組みに近い「自ら思考する自立型コンピュータ」なんだそうです。ハッキングに対してはコンピュータ自らが不正アクセスか否かを判断する為、通常手段でのハッキングは一切不可能。じゃあどうやってメフィストがそれを為しえたのか、それを明らかにするのがダビデです。

ダビデは現在のメフィスト総裁であるマリオン・ベロガニアと対立した事でメフィストを追われ、日本に亡命を希望してきました。心理戦を展開する中で世界の歴史と人類の発展を統制してきたメフィストの手法に満足しないマリオンは、ディフェンダー衛星を手中に収める事で絶対的な人類支配を行おうとしていたのです。

ディフェンダー衛星のハッキングに使われた手法は何と「催眠(コンピュータヒプノタイズ)」でした。人間の脳の仕組みに近いが故に催眠の手法にまんまとかかってしまったわけです。何とも荒唐無稽な話ですが、千里眼ワールドの中では馴染んでしまうのがすごいところですね。

ワシントンにあったディフェンダー制御コンピュータの本体は既にジャマイカのメフィスト地下拠点内にコピーされており、マリオンはこのコンピュータを通じてディフェンダー衛星に世界中の武器破壊を命じます。その結果地球上の武器はほぼ無力化されました。

自立思考型のコンピュータは、武器の所持・非所持といった条件だけではなく暴力衝動に伴う体温上昇など、より細かい判断によって衛星からのレーザー攻撃を行う段階にまで進化しつつありました。この進化が完成に至る前に何としてもこのコンピュータを破壊する必要があります。

その情報を求めてメフィスト日本支社に潜入した美由紀でしたが、案の定囚われの身となり、マリオンの仕掛けるレム睡眠下での自殺暗示攻撃でピンチに陥ります。この辺は「ミドリの猿」「運命の暗示」さながらの展開ですね。この危機を救ったのは嵯峨(とダビデ)でした。

危機を脱した美由紀は再びF15を駆り、雌雄を決する為マリオンとの最終決戦に挑みます。無人攻撃ヘリとの激戦のくだりは攻殻機動隊SACでのジガバチエピソードを彷彿とさせます。

クライマックスで美由紀がディフェンダー衛星を無力化する為に使った手段は、自立型コンピュータの進化を促進させるという荒業でした。コピーの過程で一部のプロセッサを分離された為にコンピュータの進化速度は抑制されていましたが、美由紀はあえてその抑制を解除したのです。

その結果自立型コンピュータの思考能力は急速に発達し、その果てに自己の矛盾を感じたコンピュータは自ら命を絶ちました。宇宙に点在していた58基のディフェンダー衛星は全て同士討ちをしその機能を停止します。

そしてマリオンは施設内に仕掛けた罠に自身がはまるという、メフィスト総裁にしては随分とお粗末な最後を迎えますが、これはどうみても影武者です本当にありがとうございました。

とまぁそんなわけで今回も美由紀の活躍により世界の危機は救われました('∀`)

「ミドリの猿」「運命の暗示」「メフィストの逆襲」「岬美由紀」と続いたメフィストシリーズは今作をもって一応の完結を見ましたが、メフィストが絡むと毎度ストーリーの規模が大きくなり、今作ではいよいよ世界中の兵器が無力化され戒厳令下に置かれるところまで来ました。

今回も息をつかせぬ展開で見所満載の1冊でしたが、その中でも今作の一番のテーマは美由紀と嵯峨の恋の行方です。随分前のレビューで美由紀と釣り合うのは嵯峨くらいかも、と書きましたけど、まさに今作ではこの二人の関係がクローズアップされます。

「マジシャンの少女」あたりから、美由紀の嵯峨に対する気持ちが単なる同僚に対するものから変わりつつある描写がされていましたので、そろそろ何かあるとは思ってましたけど、想像してた以上に加速された感じですね。

途中で美由紀ははっきりと自分の気持ちに気付くわけですが、嵯峨にしてもダビデが美由紀を呼び捨てにしているのを聞いてイラついたりしてまんざらでもない様子。事件解決後に二人はダビデによって引き合わされ、美由紀は嵯峨に自分の気持ちを伝えますが、嵯峨はその気持ちが寂しさを埋める為に発現したものであり本当の愛情では無いと告げます。

まぁここで二人がくっついちゃうとこれ以上千里眼シリーズ続けるのは微妙になりますので、有る意味当然の帰結だったのかもしれませんけどやっぱり美由紀カワイソス(´・ω・`)

美由紀の嵯峨に対する気持ちって、本当に寂しさの裏返しや親代わりの存在を求めていただけだったんでしょうか?。私は違うと思ってます。この後のシリーズの中で二人の関係がもう一度動いてくれる事を期待しています。

ちなみに、このシーンではダビデの勇み足で企画されていた結婚式(!)に多くのゲストが招かれているんですけど、その中に李 秀卿が居たのが嬉しかったですね。この後のシリーズでまた登場してくれるといいんですが。

それ以外にも今作ではいくつか遊びがありました。まずダビデが美由紀の部屋に押しかけた時に出てきたメフィスト刊行の小説「千里眼シリーズ」について。楽屋落ちなんですけど、「マジシャンの少女」についてハードカバーの評判があまり良く無かった事を自虐的に描写しているのには思わずにやけてしまいました。

それと通り魔事件を解決する為にダビデと共に渋谷の街に出た時のエピソードが実はこの作品一番の収穫かもしれません。ダビデの作戦は美由紀に女子高生の格好をさせて街中を歩かせ囮にするって内容だったんですが、ここでの美由紀のリアクションが最高でした。商店のウィンドウに映った自分の姿を見て赤面しつつダビデに猛烈に抗議する美由紀萌え。

でも良く考えるとダビデに制服渡された時点で気付く筈だし、着る時だって鏡で見たりしてると思うんですよね。美由紀は怒ってましたけど実はノリノリだったんじゃないかと。

次回は「ヘーメラーの千里眼(上)」です。いよいよ残りもあと僅かとなってきました。最新刊ブラッドタイプまでもう少しで追いつきそうだなぁ。
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